◆輝かしき皇紀二千六百七十二年を迎へ、 皇室の弥栄と読者諸氏の御隆盛を祈念す。
◆去年日本では、千年に一度と言はれた東日本大震災が起き、未曾有の被害に見舞はれた。今上陛下に於かれましてはその御心を痛められ、あまたの被災地に御自ら出向かれ、被災者を励まされた。
◆八十八年前に起こつた関東大震災との違ひは、大津波の被害と目に見えぬ「放射能」に汚染された事である。
◆周知の通り日本は核兵器を保有してゐない。核兵器を保有してゐる先進国は、その管理に厳重である。よつて原子力発電に関する管理もそれに準じてゐる。核兵器なく原子力発電を保有すれば、危機的管理が疎かになる事が明白となつた。
◆外に目を向ければ、中東各国でドミノ現象の如く民衆革命が沸き起こつた。その目的は民主主義国家の建設であるとふ。
◆中東各国は「民衆革命」で「民主主義」を選んだ。この先民主主義に疑問を抱いて「民衆革命」を目論んだら「民主主義の敵!」の烙印を押されることになる。
◆日本は中東より前から民主主義国家とされてゐる。しかし世論調査などで、内閣の支持率が低迷してもその民意は反映されない。何故なら民主主義の第一義とは選挙のみであるからだ。よつて日本では民主主義は既に行き詰まつてゐる。
◆国民は権利選挙権を以て政治運営の機能を議員に与へてゐる。よつて腐敗堕落した政治も国民が与へたことになる。国民はより良い政治を行つてもらふ為に「選挙」を待ち、まだましな政治家や政党に投票するしか手段はない。しかし、被選挙人は当選すれば「民意を得た」を盾に同じ事を繰り返す。民主主義といふの機能を利用するならば、政治運営を与へないといふ選択もあるはづである。一例には白紙投票で政治運営に相応しい仁は皆無であると意思表示をすることもできる。その行為も選挙権を行使した民主主義であるのだ。よつて民主主義の象徴である選挙で民主主義を解体する事も可能なのである。
◆選挙権は満二十歳を迎へて与へられる。よつて少年少女に民主主義は無い。五十二年前の昭和三十五年十一月、日本赤化を目論み次期首相と目された、社会党の委員長である浅沼稲次郎が山口二矢烈士に倒された。山口烈士は当時十七歳であり当然選挙権はない。しかし日本の赤化を防止したい、といふ民意を叩きつけたと言う意味では、選挙権無き民主主義の行使といへよう。
◆しかし、選挙や陳情以外で政治を変へようといふ行為を「民主主義の敵!」と一言で片づけられる。あたかも民主主義こそが完璧な営みであると嘯き、それ以外の行為を断罪してきた。要するに選挙や陳情以外で民意を発露することは罷り通らない、といふのが現時の民主主義なのである。
◆去年の暮れ 秋篠宮殿下の御発言にマスコミが過剰に反応し、政府が再び皇室典範に触れだした。それに乗じて国民もあちらこちら 皇室論議を巻き起こしてゐる。民主主義の世なのだから 皇室のことも民主主義で決めるべきだと言はんばかりだ。
◆慶長二十年(西暦一六一五年)、徳川家康が禁中並公家諸法度を制定し、 皇室や公家を法で縛り スメラミコトのなされる行為まで制限したは前号で述べたが、当時の民が 皇室のありかたに口を挟み存在自体を決定しやうとする事はなかつた。翻つて今の世では民主主義といふ制度に則り、民までもが皇室のありかたを論じ、 皇室のありかたを決定しやうとしてゐる。
◆そもそも 皇室の存在とは法に依るものではない。ましてや スメラミコトが国を治める事は、幕府や政府がつくつた法に依るものではない。天津日嗣(天の霊を継ぐ)を連綿とし、世界万民を照らし、祭祀により平和な世を治め、その平和を千代に八千代に続くやう御祈り申し上げてゐるのだ。
◆現時の民主主義に代はるより良い制度をつくる為には、古に回帰せねばならない。歴史を鑑みれば、新しい時代をつくる時は必ず「復古」であつた。その大号令のもとで、日本は万事に於いて常に「先進」であつたのだ。
◆今こそ歴史・伝統・文化に則り、スメラミクニを顕現し、苦難を乗り越える秋である。
平成24年1月1日号(1154号)より
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